上野周辺 日本美術

レポート編 『仁和寺と御室派のみほとけ 天平と真言密教の名宝 』を東京国立博物館にて 仁和寺展の感想、見どころ、混雑状況等もお伝えします。

仁和寺展

 東京、上野の東京国立博物館に2018年1月16日(火) ~3月11日(日) 開催、『仁和寺と御室派のみほとけ 天平と真言密教の名宝 』を観に行きました。仁和寺の寺宝のほか、仁和寺を総本山とする全国の真言宗御室派寺院が所蔵する名宝の数々が一堂に会したこの展覧会のレポートをお送りします。

※2/16に2回目を観に行ってきましたので、それを踏まえて大幅に加筆、修正しました。

 本展をより楽しむための予備知識を解説した記事を書きましたので、よろしければそちらもご覧ください
(解説編 『仁和寺と御室派のみほとけ 天平と真言密教の名宝 』展覧会を楽しむための予備知識を解説します。 - Art-Exhibition-Tokyo)

穏やかな開幕序盤と打って変わって後半はいよいよ入場制限も発生

 1回目を観に行ったのは開幕後3日目、1/18(木)の11時頃。ここ東京国立博物館にて11/26まで開催していた『運慶展』が連日大混雑だったこともあり、本展もそれなりに混雑しているのではないかと心配しながら行ったのですが、賑わってはいるものの混雑しているという程ではありませんでした。もちろん入場制限もこの時点ではありません。所々人だかりができますが、少し待てば解消されるという感じでしたので、終始じっくりと鑑賞できました。

 そして2回目は開幕から丁度1カ月後である2/16の16時頃に行ってきました。後期日程が始まった2/14以降、時間帯によっては入場制限がかかるようになっており、この日も14時頃までは10分程待ち時間が発生していたようです。金曜・土曜は21時まで開館していますので、少しでも混雑を避けようとこの時間帯を選びました。まずは様子見でぐるっと会場内を歩いてみましたが非常に混雑しており、特に仏像が展示されている第2会場は通行するのも大変なくらい人が多かったです。チケットを持っていれば当日に限り再入場可能ですので(博物館敷地外に出てしまうと不可)、一旦会場を出てもう少し空くのを待ってみることにしました。

 表慶館で開催中の『アラビアの道ーサウジアラビア王国の至宝』(『アラビアの道-サウジアラビア王国の至宝』を東京国立博物館にて レポート、感想、解説をお送りします。 - Art-Exhibition.Tokyo)などを観て、19時頃に再度入場しました。相変わらず混雑していますが、夕方よりは空いているかなといった感じ。結局閉館の21時までいましたが、その後の混雑具合にそれ程変化はありませんでした。とは言え入場制限がかかっていた昼間に比べたら空いていたと思いますので、この先も金曜・土曜の夕方以降の時間帯はおすすめできます。それ以外の曜日に関しても、今のところ早い時間ほど混んでいて入場制限が発生している傾向がありますので、14、15時以降が比較的空いていると思われます。また、会期末になってくるとより混雑していくことが予想されますので、気になっている方は出来る限り早めに行かれることをおすすめします。

 ちなみにロッカーに関してですが、会場内(チケットを切ってもらって中に入った後)には僅かしかありませんので、入場前に空いているロッカーを探しましょう。会場である平成館のロッカーが埋まってしまっている場合は、本館や表慶館にもロッカーがあるのでそちらを探してみてください。本館とは通路が繋がっているため外に出ずに行き来できます。混雑している会場内で、かさばる荷物をもったまま鑑賞するのはやはりストレスですし、室温も高めなので上着も預けてしまった方がいいと思います。

おすすめの鑑賞方法を紹介

 閉館までいたからこそ気づいたおすすめの鑑賞法があります。この後詳しく紹介しますが、本展は資料や仏画などが展示される第1会場と、仏像が展示される第2会場に分かれています。やはり多くの方は仏像を観たいと思っていますから、閉館が近づくにつれて皆さん第2会場に移動されます。そうすると必然的に第1会場は空いていて、第2会場が非常に混雑している状態になるわけですね。ということは、逆の順序で鑑賞すれば第2会場混雑のピークを避けつつ、空いている第1会場をゆったり廻れるということです。当たり前のことではありますが、閉館間際には第1会場がガラガラでした。とは言え第2会場は常に混雑していますから、気休め程度と思って参考にしていただければと思います。

葛井寺の国宝《千手観音菩薩坐像》の展示が2/14からスタート

 後半に入ってより混雑しているのには大きな理由があります。本展は前期日程(1/16~2/12)と、後期日程(2/14~3/11)の2つに分かれており、それぞれで展示内容が変わります。(正確には8つに分かれていて、細かく展示替えされています。)そのなかでもポイントなのは、本展における最大の目玉である大阪・葛井寺の国宝《千手観音菩薩坐像》(No.167)は、後期日程のみ展示されるということでしょう。江戸時代の出開帳以来、初めて東京にやって来るこの秘仏を観るために多くの方が後期日程に集中することは間違いありません。事実、後期日程初日には開館前に400人を超える行列ができたとのことです。

 実際に鑑賞してきましたが、とんでもなく衝撃的でした。何か異様なありえない物を見ているという気分になり、しばらく立ち尽くしてしまいましたよ。この像は、天平彫刻の最高傑作の一つとされ、実際に千本の手がある最古の千手観音菩薩像です。毎月18日のみ開帳される秘仏ですが、普段は奥まった厨子の中に安置されているため、当然正面しか観ることはできません。それが今回はぐるりと一周回って観られるのです。横から観ると小さな手がぎっしりと付いているのが確認できますし、後ろに回ってみるとこの千本の手がどのようにセットされているのかを見ることができます。これは本当に貴重なことで、まさに必見中の必見です。

大阪・葛井寺の《千手観音菩薩坐像》

《千手観音菩薩坐像》奈良時代 6世紀 大阪府・葛井寺蔵

最小の国宝仏、秘仏本尊・国宝《薬師如来坐像》

 もう一つ、後期日程において注目の仏像があります。現在、歴代門跡の位牌を祀る霊明殿の本尊として安置されている、国宝《薬師如来坐像》(No.9)です。像高わずか11.8cmで、台座を含めても22cm弱。厳重な秘仏として保管されていたため、状態は非常に良好です。康和五年正月に起きた火災で、空海により請来され当時仁和寺て・北院の本尊であった薬師如来坐像が焼失してしまいます。本像はそれを、当時仏師のトップといえる地位にあった円勢とその子、長円によって再興したものです。同年4月1日から5月4日までの約1カ月で完成させたそう。

 実際に観ると想像していたよりもずっと小さくて、その細密さに驚かされます。両足から台座へと広がる衣には、木地に直接金箔で截金技法とよばれる細やかな文様が描かれています。ぜひ目を凝らして観てみてください。細かな部分まで観るために単眼境などを持って行くといいかもしれません。こちらも終始すごい人だかりができていました。

仁和寺の《薬師如来坐像》

円勢・長円作 《薬師如来坐像》平安時代 康和五年(1103)京都・仁和寺蔵

国宝《三十帖冊子》の全帖一挙公開は、1月16日(火)~28日(日)限定

 では、序盤に行かれた方は損だったのかと言ったらそんなことはありません。目玉出展作品の一つ、弘法大師空海が中国(唐)で書写して持ち帰った経典・儀軌類で、2014年度に修理が完了した国宝《三十帖冊子》(No.22)が1月16日(火)~28日(日)限定で全帖を一挙公開されました。(1月30日(火)以降は2帖ずつ公開)さらに、様々な災厄を払う密教修法・孔雀経法を修する際の本尊画像である、国宝《孔雀明王像》(No.48)を含むいくつかの作品の展示は前期日程のみです。

仏像の展示は全体の半分

 本展に行かれる方、興味を持たれている方のなかには、仏像がお目当てだという方が大勢いらっしゃるのではないでしょうか。私自身も“大の仏像好き”ですので、やはりそれらを1番楽しみにしていました。しかしながら、本展は『運慶展』のときのように仏像のみを展示しているわけではありません。会場が第1会場と第2会場に分かれており、第1会場は仁和寺、真言密教に関する資料や仏画・法具等の展示が主で、仏像は2/14以降に限り国宝《薬師如来坐像》(No.9)が展示されているのみです。第2会場はほぼ仏像の展示ですので、全体の半分が仏像ということになります。その点はご注意下さい。

 とはいえ今回展示される仏像のなかには、普段中々お目にかかることのできない貴重な秘仏や本尊が多く含まれており、間違いなく仏像好きの皆さんにとって大満足のラインナップです。全部で66体が展示されていて、まったく物足りなさは感じませんでしたよ。

 ちなみに、素晴らしい仏像の数々のなかで個人的に最も感動したのは、大阪・道明寺蔵の国宝《十一面観音菩薩立像》(No.166)です。平安初期一木彫像の最高傑作といわれるこの像は、毎月18日と25日の2回のみ開帳される道明寺の本尊です。あまりの美しさに見惚れてしまいました。しかも普段は厨子のなかに納められていて、開帳されても正面からしか観ることができないわけですが、今回は360度、しかも超至近距離で観ることができるのです。

大阪・道明寺の《十一面観音菩薩立像》

《十一面観音菩薩立像》平安時代 8~9世紀 大阪・道明寺蔵

他にも日本全国の御室派寺院の本尊、秘仏が多数展示されており、至福の空間でした。

 もちろん第1会場の展示も非常に興味深いものばかりです。様々な資料は、仁和寺、真言密教などのより深い理解に役立ちますし、三十帖冊子》を始めとした多くの書物は書としての芸術性を大いに感じることができます。仏画に関しても、その本質は仏像と同じであり、そこには人々の“思い”や“願い”が込められていて、もはやただの美術品ではないわけです。だからこそ私たちは、そこにただならぬ雰囲気を感じ、畏敬の念を抱くわけですね。多くの国宝や重要文化財の数々に、仏像目当ての方も間違いなく満足していただけるでしょう。

仁和寺・観音堂を展示室に再現 しかも写真撮影OK!

 本展で1番驚いたのは、第2会場内のとあるエリア。江戸時代の仁和寺再興期に再建され、僧侶の修行道場のため普段一般には非公開の観音堂が、展示室に再現されていました。実際に安置されている仏像33体に加え、壁画も高精細画像で再現されています。本展が観音堂改修工事を記念して開催されることにより実現したのだそう。

 しかもこのエリアはなんと撮影可能!大勢の方が携帯電話やスマートフォンで撮影、一眼レフを構えている人までいましたよ。普段は観ることすらできないのですから大変貴重な機会です。皆さんカメラ、携帯電話等をお忘れなく。

仁和寺観音堂

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 「再現」という表現と撮影可能ということで、展示されている仏像もレプリカだと思われている方がいらっしゃったようですが(そんなヒソヒソ話が聞こえてきました)、仏像に関しては全て本物です。実際に仁和寺観音堂に安置されているものですよ。壁画のみ高精細画像によるものですが、こちらも非常にクオリティが高くていい雰囲気を醸し出しています。

 注意事項として、撮影の際フラッシュを焚くのは禁止となっています。スマートフォンなどでは自分で設定しないと自動的にフラッシュが焚かれてしまう場合がありますので、予め設定を確認してください。スタッフさんが頻りに注意していて大変そうでしたので、みなさん気を付けましょう。それと、撮影可能なのはこの観音堂再現エリアのみです。その他のエリアでは撮影は一切禁止ですのでご注意ください。

撮影しやすい時間帯とは

 こちらのエリアも常に人だかりができています。2回目に行った際には一段と人が多くなっていて、正直撮影するのはなかなか至難の業です。これだとどうしても他のお客さんが映り込んでしまいますよね。しかし、上の写真を見ていただくと全く人が映っていません。実はこれにはちょっとした工夫があるのです。閉館間際にもう一度全体を見て回った際に、この観音堂再現エリアにほとんど人がいないことに気づきました。当然閉館が近づくと皆さんより後半の方に進んで行きます。特に例の千手観音像が最後の方に展示されていますから、そこに人が集まっているのです。こうなれば観音堂エリアは写真撮り放題といった状況です。この日が21時というかなり遅い時間の閉館だったことが影響している可能性は否めませんが、そのほかの日でも時間に余裕があればぜひ試してみてください。

音声ガイドはとてもおすすめ

 音声ガイドナビゲーターは、俳優の染谷将太さんと阿部寛さんが担当しています。それなりに予習をしてから鑑賞に向かったのですが、それでも尚勉強になる充実した内容でした。仁和寺第50世門跡の立部祐道師によるお話や、仁和寺の声明もお聞きいただけるスペシャルトラックも収録されています。ちなみに、基本的にはナレーターの藤村紀子さんが解説をしており、染谷さんと阿部さんは所々入ってくるという印象でした。

図録は詳しい解説盛り沢山

 帰りにショップにて図録を購入しました。全出展作品の写真がオールカラーで掲載されているだけではなく、 それら全ての詳しい解説までついています。会場においても一点一点に解説はありましたが、この図録に掲載されているのはより詳しいものになっており、もはや解説書といった感じです。ソフトカバーなのも読みやすくて好印象。価格は2800円です。展覧会の途中のショップに売っていますが、図録のみでしたら本館や東洋館、正門外の正門プラザ内ミュージアムショップでも購入可能ですので、お帰りの際に購入することをおすすめします。

ひっそりと御室流華道の生け花も展示されています

  平成館1階ラウンジには仁和寺門跡が家元をつとめる「御室流華道」の素敵な生け花が展示されていました。

御室流華道

御室流華道

 

こちらも1回目に行った時とは違うものが展示されていました。

御室流華道

御室流華道

最後に

 仁和寺を始めとする御室派の寺々に所蔵されている貴重な寺宝、秘仏に大満足の展覧会でした。ここを逃すと次に観られるのはいつになるかわからないようなものばかりです。ぜひお見逃しなく。というわけで、『仁和寺と御室派のみほとけ 天平と真言密教の名宝 』のレポートをお送りしました。

解説編はこちら
(解説編 『仁和寺と御室派のみほとけ 天平と真言密教の名宝 』展覧会を楽しむための予備知識を解説します。 - Art-Exhibition-Tokyo

開催概要

会期:2018年1月16日(火) ~3月11日(日)
会場:東京国立博物館 平成館(上野公園)
開館時間:9:30~17:00(入館は閉館の30分前まで)
(ただし、金曜・土曜は21:00まで開館)
金曜、土曜に加えて、3月4日(日)、3月6日(火)、3月7日(水)の3日間も21:00まで開館(入館は20:30まで)
休館日:月曜日(ただし2月12日(月・休)は開館、2月13日(火)は休館)

観覧料金

一般1600円(1400円/1300円)、大学生1200円(1000円/900円)、高校生900円(700円/600円) 中学生以下無料
* ( )内は前売り/20名以上の団体料金

展覧会鑑賞後は...
東京国立博物館は魅力が沢山

 本展とは関係ありませんが、東京国立博物館では特別展(今回の場合『仁和寺と御室派のみほとけ』展)のチケットで平常展も観覧することができることはご存知でしょうか。本来でしたら大人620円、大学生410円(高校生および満18歳未満、満70歳以上の方は無料)かかるのですが、それが実質無料で観られるわけですから非常にお得です。博物館の敷地内には、正門入って正面に見える本館を始めとしていくつも建物があり、そのほとんどが特別展のチケットで観ることができるのです。
最後に簡単にではありますが、それぞれ解説しますので参考にして下さい。

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本館(日本ギャラリー)

 1階は彫刻、陶磁、刀剣など、分野別展示と企画展示で構成されています。2階では、縄文時代から江戸時代まで、「日本美術の流れ」を国宝や重要文化財などの名品で辿ることができます。また、1階には館内最大のミュージアムショップがあります。1階大階段向かって右側の部屋には仏像が展示されています。

f:id:async-harmony:20180217195456j:plain《千手観音菩薩坐像》南北朝鮮時代 14世紀 《四天王立像》鎌倉時代 14世紀 文化庁

 この見事な千手観音菩薩坐像と四天王立像は前回来たときはありませんでした。これとは違う千手観音菩薩立像が展示されていたと思います。このように本館の展示も時期によって変わるので、何度来ても楽しめます。

f:id:async-harmony:20180217195508j:plain《阿弥陀如来坐像》平安時代・久安三年(1147) 京都府船井郡京丹波町・長楽寺伝来 文化庁

f:id:async-harmony:20180217195441j:plain《不動明王立像》平安時代 11世紀

 

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平成館

 本展の会場でもあり、ほとんどの特別展が2階の展示室で開催されます。1階の考古展示室では、考古遺物で石器時代から近代まで日本の歴史をたどります。縄文時代の土偶や、弥生時代の銅鐸、古墳時代の埴輪など教科書でみたあの作品に出会えます。また、講演会やさまざまな催しのための講堂、およびガイダンスルームがあります。

 

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東洋館

 「東洋美術をめぐる旅」をコンセプトに、中国、朝鮮半島、東南アジア、西域、インド、エジプトなどの美術と工芸、考古遺物を展示しています。特に仏像好きの方には、中国やインド・ガンダーラの石仏がおすすめです。

 

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表慶館

 明治33年(1900)、皇太子(後の大正天皇)のご成婚を記念して計画され、明治42年(1909)に開館した、日本ではじめての本格的な美術館です。設計は、J.コンドルの弟子で、東宮御所(現在の迎賓館)なども手がけた宮廷建築家の片山東熊。中央と左右に美しいドーム屋根をいただき、上層部の外壁面には製図用具、工具、楽器などをモチーフにしたレリーフがあります。明治末期の洋風建築を代表する建物として昭和53年(1978)、重要文化財に指定されました。
2018年1月23日(火) ~3月18日(日)には『アラビアの道ーサウジアラビア王国の至宝』が開催されていますが、こちらも特別展ならびに平常展のチケットで観覧できます。
こちらのレポート記事はこちら
(『アラビアの道-サウジアラビア王国の至宝』を東京国立博物館にて レポート、感想、解説をお送りします。 - Art-Exhibition.Tokyo
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法隆寺宝物館

 明治11年(1878)に奈良・法隆寺から皇室に献納され、戦後国に移管された宝物300件あまりを収蔵・展示しています。これらの文化財は、正倉院宝物と双璧をなす古代美術のコレクションとして高い評価を受けていますが、正倉院宝物が8世紀の作品が中心であるのに対して、それよりも一時代古い7世紀の宝物が数多く含まれていることが大きな特色です。
1階には小さな金銅仏がたくさん展示されており、こちらも仏像好きにおすすめスポットです。わかりにくい場所にあるからかあまり人もいませんし、とても静かな空間で鑑賞できます。

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正門入って左の突き当りです。

 この他にも、黒田清輝の油彩画約130点、デッサン約170点、写生帖などを所蔵し、特別室と黒田記念室で展示されている黒田記念館、和・漢・洋図書 約22万冊、写真原板等約35万枚などを収蔵(平成24年3月末現在)しており、これらの資料の閲覧・複写およびレファレンスサービスを行っている資料室、年2回、春と秋に公開される庭園もあります。

 特別展と併せてこれらも鑑賞すると1日中居られます。ゆっくり座れる場所もたくさんありますし、どこも広々しているので快適に鑑賞できます。>ぜひ、『仁和寺と御室派のみほとけ』展を観おわった後、館内を散策してみてください。きっと素敵な時間が過ごせますよ。

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