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『歌川国貞展~錦絵に見る江戸の粋な仲間たち~』静嘉堂文庫美術館 レポートをお送りします。

投稿日:2018/02/02

歌川国貞展

   東京、世田谷の静嘉堂文庫美術館にて開催中『歌川国貞展~錦絵に見る江戸の粋な仲間たち~』レポートです。江戸後期を代表する浮世絵師・歌川国貞の作品が多数展示される展覧会を紹介します。

江戸時代後期を代表する浮世絵師・歌川国貞の作品を一挙公開

 18世紀に入ったころ、それまでにはなかったカラーの版画が作られるようになりました。「錦のように美しい」と称された多色摺木版画、いわゆる「錦絵」です。そこには人気歌舞伎俳優や吉原の遊女たち、町の美女たちが描かれ、江戸の人々にとっての最新メディアとなりました。

 江戸時代後期から末期(19世紀前半)を代表する浮世絵師、歌川国貞(1786-1864)は初代歌川豊国に師事したのち、若くから頭角を現して59歳の時には三代豊国を襲名し、歌川派の総帥として多くの門人を率いて活躍しました。同時代の葛飾北斎や歌川広重、歌川国芳よりも人気があったともいわれています。

 本展では、美人画と役者絵の名手として知られる国貞の代表作の数々が多数展示されます。

江戸のリアルな空気を感じる刺激的な浮世絵展

 世田谷区岡本にある静嘉堂文庫美術館は、主に東洋美術の展示を行っている美術館です。そんななか本展は、江戸後期における代表的浮世絵師・歌川国貞の作品が多数展示される浮世絵展覧会です。出品点数は前後期合わせて175点と充実しています。展示室自体は1フロアですが、そこにずらりと並べられた作品にはすべてに解説もついており、それを読みながらじっくり鑑賞していたら1時間以上はかかりました。有料の音声ガイドも借りられますので、より詳しい解説がほしいという方はぜひご利用ください。

 普段は西洋絵画を鑑賞することが多いのですが、日本美術からはそれとは異なった感動を得られるのでとても好きです。浮世絵とは江戸時代の人々の暮らしを描いた風俗画なわけですが、自分が住む日本の姿を描いた浮世絵にはリアルでありながらも何か独特のロマンを感じてしまいます。

歌川国貞《神楽月顔見せの光景》

歌川国貞《神楽月顔見せの光景》三枚続 1815~1817年(文化12~14)頃

歌川国貞《神無月はつ雪のそうか》

歌川国貞《神無月はつ雪のそうか》三枚続 1815~1817年(文化12~14)頃

 本展に展示されているのは、「錦絵」と呼ばれる多色摺りの版画ですが、この色の鮮やかさが実に見事です。しかしこの錦絵は色が退色してしまう危険が大変大きいため、鮮やかな色彩が残っている作品はとても貴重です。その点静嘉堂の錦絵は、ウラ・オモテ貼込みの折帖に仕立てられ、ほとんど光に当たることなく保存されてきたそうで、どれもとても美しい色彩が残っています。ぜひ注目してみてください。

歌川国貞《卯の花月》

歌川国貞《卯の花月》大判錦絵三枚続 江戸時代末期(19世紀半ば頃)

庭園など敷地内の散策もおすすめ

 静嘉堂の敷地はかなり広く、美術館の裏側には庭園もあります。展覧会鑑賞後には、木々が生い茂る敷地内を散策してみるのもおすすめですよ。

静嘉堂文庫美術館庭園の様子

 美術館に向かって左手方向に進むと、英国人建築家、ジョサイア・コンドルが設計した実際に使用されている廟(納骨堂)があります。さらに先に進んで行くとそのまま正門の前まで出られますので、お帰りの際にはそちらを歩いてみるのもいいかもしれませんね。少し足場が悪いのでその点はご注意ください。

ジョサイア・コンドルが設計した廟(納骨堂)

最後に

 歌川国貞の作品が静嘉堂文庫美術館にてまとまって展示されるのは8年ぶりのことだそうです。江戸時代後期を代表する浮世絵師の名作の数々は、とても力があり生き生きとしていて惹きつけられました。浮世絵はピンと来ないという方も、これを機にハマってしまうかもしれませんよ。会期残り僅かとなった本展ですが、とてもおすすめです。ぜひお見逃しなく。

以上『歌川国貞展~錦絵に見る江戸の粋な仲間たち~』のレポートでした。

 開催概要

 期間:2018年1月20日(土)~3月25日(日)
休館日:月曜日(2月12日は開館)、2月13日(火)
※会期中、作品の展示替えを致します。
<前期>2018年1月20日(土)~2月25日(日) <後期>2018年2月27日(火)~3月25日(日)
開館時間:午前10時~午後4時30分(入場は午後4時まで)
入館料:一般1,000円、大高生700円、中学生以下無料
※団体割引は20名以上 ※リピーター割引:会期中に本展示の入館券をご提示いただきますと、2回目以降は200円引きとなります。

アクセス

 会場は世田谷区にある静嘉堂文庫美術館です。東急田園都市線「二子玉川駅」が最寄り駅になります。駅からはバスもしくはタクシー、徒歩というアクセス方法がありますが、徒歩だと20~25分程かかりますのでバスの利用がおすすめです。(僕は歩いて行きましたが、歩くのが好きな方なら問題ない距離だと思います)

 二子玉川駅バスターミナルの4番乗り場で、東急コーチバス「玉31・32系統」に乗ります。(所要時間は通常8~10分。運行本数1時間に約3本)

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「静嘉堂文庫」で下車して写真の方へ進みます。

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少し進むと正門がありますので、そちら入ります。

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舗装された道路を進んでいきます。緩やかな坂道になっているので少し体力を使います。

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坂を上り切ったら到着です。バス停からここまで5分弱はかかると思います。

 ちなみにタクシーを利用する場合は、正門ではなくこの美術館入口まで行ってもらいましょう。タクシーを利用されてのご入場者に対する「領収書と引き換えに一台200 円のキャッシュバックサービス」もあります。タクシー料金は約800円ですが、入館料からタクシー代200円がキャッシュバックされます。領収書を入館料お支払い時に受付でお渡しください。 ※招待券、ぐるっとパスは対象外です。

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