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肖像芸術が担ってきた役割とその変遷を辿る『ルーヴル美術館展 肖像芸術 ―人は人をどう表現してきたか』を国立新美術館にて

投稿日:2018-07-19

 港区六本木の国立新美術館では5月30日(水)から9月3日(月)まで、肖像芸術の魅力を紹介する展覧会『ルーヴル美術館展 肖像芸術 ―人は人をどう表現してきたか』が開催しています。年間800万人という世界最多の入場者数を誇り、「モナ・リザ」をはじめとする超一級品を38万点以上所蔵する世界屈指の美術館であるパリ・ルーヴル美術館から、肖像芸術にテーマを絞った傑作約110点が来日する一大展覧会です。

ルーヴル美術館展

 人の外観を絵画や彫刻などで表現する肖像芸術は、古代から続く長い歴史のなかで人物の存在の記録や権力の誇示といった社会的役割を担ってきました。ときに写実的に、またときに理想化して表現され、時代の移り変わりとともに、描かれる対象や表現方法などもさまざまに変化、発展が繰り返されてきたのです。

 今回は連日多くの入場者でにぎわう本展のレポートとともに、観覧にあたっておさえておきたいポイントや見どころを紹介します。

「肖像芸術」をテーマに約110点のルーヴルの“顔”が集結

 ルーヴル美術館のコレクションを展示する『ルーヴル美術館展』は、これまでも開催されるたび大盛況の人気展覧会です。風俗画をテーマに東京・京都にて開催された2015年の前回展では、あわせて約111万人の来場を記録しました。

 膨大な数の作品を所蔵するルーヴル美術館だからこそ実現可能な、趣向を凝らした企画が魅力の『ルーヴル美術館展』ですが、今年のテーマは「肖像芸術」です。誰もがスマートフォンを使い自分や他者を自由に撮影・加工する現代の我々にとって、「肖像芸術」は最も身近な芸術ジャンルといえるのではないでしょうか。それゆえに、美術に対してそれほど関心がないという方でも楽しみやすい展覧会だと思います。

 ルーヴル美術館には【古代オリエント美術】、【古代エジプト美術】、【古代ギリシャ・エトルリア・ローマ美術】、【イスラム美術】、【絵画】、【彫刻】、【美術工芸品】、【素描・版画】という全部で8の部門が存在します。今回はその8部門すべてから、きわめて広範にわたる時代・地域の作品が約110点来日し、人類史上における肖像芸術の全貌を概観することができます。

 出品点数110点以上というのも驚異的といえるでしょう。というのも著名美術館などのコレクションを展示する展覧会では、これほど多くの作品が出品されることは滅多にありません。例えば直近ですと、5月まで開催されていた『プラド美術館展 ベラスケスと絵画の栄光』では作品と資料を合わせて70点、同じく5月まで開催されていた『至上の印象派展 ビュールレ・コレクション』では64点ですから、いかに本展が充実しているのかお分かりいただけるのではないでしょうか。実際に会場に行ってみると、出口までがかなり遠く感じられるほどのボリューム感でした。

夏休み中につき平日であっても混雑に注意

 この日向かったのは平日の13時ごろでしたが、会場内は非常に混雑しており、夏休み中ということもあって学生さんの姿が多くみられました。中学生以下は観覧料が無料(7月14日(土)―29日(日)は高校生も無料観覧日)なので、このまま会期終了まで多くの学生客が訪れることでしょう。少しでも混雑を回避するためには、21時まで開館している金・土曜日の夕方以降が狙い目です。また会期末になるにつれてさらなる混雑が予想されますので、できるだけ早めに行きましょう。

 作品数の多さと混雑状況をふまえると、観覧時間は最低でも1時間30分~2時間は必要だと思います。また閉館時間が近づいてからの観覧など時間に制限がある方は、入場後に一旦出口手前まで行ってみてから時間配分を決めたほうがいいかもしれません。

寒がりの方は防寒対策が必須

 美術館や博物館では、作品保護のため室温が低く設定されている場合がほとんどです。本展会場内もそれに漏れなく低めの温度設定なのですが、これまで観覧してきた展覧会と比べても一段と寒くて少し驚きました。ルーヴル美術館からの指示によるものだと思われますが、人によっては体調を崩したり観覧に支障をきたす可能性があるほど寒いです。現在夏真っ盛りということで薄着で向かわれる方が多いと思いますが、羽織り物を用意されることを強くおすすめします。なお会場ではブランケットの貸出が行われていましたので、ご希望の方は係員にお尋ねください。

【章構成】
5つのエリアで肖像芸術の魅力と時代ごとの特質を知る

 本展はプロローグからエピローグまでの5つの大きな章と、さらにそのなかに設けられたいくつかのテーマで構成されています。作品は必ずしも年代順に展示されているというわけではありませんが、基本的には展示後半にかけて時代が進んでいると思いながら鑑賞していただいて問題ありません。ここではそれぞれの章をハイライト的に紹介しつつ、見どころを解説します。

プロローグ:マスク―肖像の起源

 まず会場入口にはプロローグとして古代エジプトのマスクが2点展示されています。照明が落とされた薄暗がりのなかで浮かび上がる妖しげな古代のマスクが、ここから始まる展覧館への期待を煽ります。

《棺に由来するマスク》

《棺に由来するマスク》新王国時代、第18王朝、アメンへテプ3世の治世(前1391-前1353年)エジプト出土 木、黒色・白色の石、青色のガラス 18×17×11 cm Photo © RMN-Grand Palais (musée du Louvre) / Franck Raux /distributed by AMF-DNPartcom

 古代エジプトでは死者の亡骸をミイラにしていましたが、新王国時代(前1570頃-前1070頃)にはミイラをかたどった人型棺が普及し、その蓋の頭部がマスクで飾られるようになります。それがこの《棺に由来するマスク》です。この時代のマスクの顔は、故人の容貌に似せたものではなく、理想化・様式化された顔でした。

《女性の肖像》

《女性の肖像》2世紀後半 エジプト、テーベ(?)出土 蝋画/板(シナノキ)33×20×0.2 cm Photo © Musée du Louvre, Dist. RMN-Grand Palais / Georges Poncet /distributed by AMF-DNPartcom

 時代が下って1-3世紀頃になると、ミイラの顔は板に描かれた肖像画で覆われるようになります。このタイプのミイラ肖像画では、写実性・肖似性が重視され、故人の顔立ちが生き生きと描写されました。

 ふたつのマスクは同じ場所、同じ目的で制作されたものですが、まったく対極的な表現がなされています。これは本展に展示されている多くの肖像作品につながる、「理想化・様式化」と「写実性・肖似性」という問題を象徴的に示しているのです。

第1章 :記憶のための肖像

 その後展開される第1章では、「人の存在を記憶する」という肖像の最も古い役割に焦点を当て、古代から19世紀までの肖像作例が紹介されます。

《女性の頭部》

《女性の頭部》 150-250年 シリア、パルミラ出土 石灰岩、多色彩色の跡 Photo © RMN-Grand Palais (musée du Louvre) / Hervé Lewandowski /distributed by AMF-DNPartcom

 葬礼美術は記憶という肖像の機能が発揮された主要分野の一つです。古代には亡き人や親族の記憶をこの世に残し、その永遠性を記念するために、肖像表現をともなう墓碑が幅広い地域で作られていました。シリアのパルミラ出土の本作《女性の頭部》がその一例です。

ジャック=ルイ・ダヴィッドと工房《マラーの死》

ジャック=ルイ・ダヴィッドと工房《マラーの死》1794年頃 油彩/カンヴァス © RMN-Grand Palais (musée du Louvre) / Martine Beck-Coppola /distributed by AMF-DNPartcom

 この有名な絵で描かれているのは、フランス革命の重要人物であるジャン=ポール・マラー(1743-1793)です。1793年7月13日に、対立するジロンド派の若い女性によって刺殺された場面を、マラーと同じジャコバン派に属していたジャック=ルイ・ダヴィッドが描きました。その後ダヴィッドの監督のもとに数点のレプリカが制作されましたが、本作はそのうちの1点です。マラーの身体は均整のとれた体格に理想化され、英雄性を帯びています。

第2章:権力の顔

 第2章では、絶対権力を握った君主や、王妃・王女を表した作品から、権力者の肖像表現の特質を見ていきます。さらに古代ギリシャの詩人ホメロスから19世紀フランスの文豪バルザックまで、「精神の権威」ともいうべき哲学者や文学者の肖像も展示されています。

 「記憶」とともに、肖像芸術が古くから担ってきたもう一つの役割が「権力の顕示」です。王や皇帝などの君主にとって肖像は、権勢を広く知らしめるのに最も有効な手段でした。そこには誰が見ても君主だとわかるように、各時代・地域・社会の文脈に応じて決まった表現の仕方や表現上のルールが用いられています。 そして、こうした権力者の肖像はさまざまな媒体に表現されました。 

イアサント・リゴー《聖別式の正装のルイ14世》

イアサント・リゴー《聖別式の正装のルイ14世》1702-1710年頃 油彩/カンヴァス ヴェルサイユ宮殿美術館蔵

ジャン=オーギュスト=ドミニク・アングル 《フランス王太子、オルレアン公フェルディナン=フィリップ・ド・ブルボン=オルレアンの肖像》

ジャン=オーギュスト=ドミニク・アングル 《フランス王太子、オルレアン公フェルディナン=フィリップ・ド・ブルボン=オルレアンの肖像》 1842年 油彩/カンヴァス Photo © Musée du Louvre, Dist. RMN-Grand Palais / Angèle Dequier /distributed by AMF-DNPartcom

 本展において最も多くの作品が展示されている章です。王や皇帝などの肖像は、とても華のある“肖像然”とした作品ばかりで見応えがあります。権力を誇示するためでしょう、大きくて力強い作品が多いのも特徴です。

貴重な作品を集めたナポレオンのコーナー

 フランス皇帝ナポレオンは、古代ローマの皇帝像とフランスの国王像の双方の表現を自らの肖像に巧みに取り入れ、君主としての正当性を強調する戦略をとっています。そんな彼の思惑が、本展屈指の見どころであるナポレオンコーナーに展示された5点の作品から窺い知るができます。

アントワーヌ=ジャン・グロ《アルコレ橋のボナパルト(1796年11月17日)》

アントワーヌ=ジャン・グロ《アルコレ橋のボナパルト(1796年11月17日)》1796年 Photo © RMN-Grand Palais (musée du Louvre) / Hervé Lewandowski /distributed by AMF-DNPartcom

アンヌ=ルイ・ジロデ・ド・ルシー=トリオゾンの工房 《戴冠式の正装のナポレオン1世の肖像》

アンヌ=ルイ・ジロデ・ド・ルシー=トリオゾンの工房 《戴冠式の正装のナポレオン1世の肖像》 1827年 アジャクシオ、国立ナポレオン生家博物館に寄託 © RMN-Grand Palais (maison Bonaparte) / Gérard Blot /distributed by AMF-DNPartcom

フランチェスコ・アントンマルキ 《ナポレオン1世のデスマスク》

フランチェスコ・アントンマルキ 《ナポレオン1世のデスマスク》 1833年 石膏 35×16×19.5 cm Photo © Musée du Louvre, Dist. RMN-Grand Palais / Pierre Philibert /distributed by AMF-DNPartcom

 なかでも注目の1点は、《ナポレオン1世のデスマスク》です。1821年5月5日にナポレオンが息をひきとったのち、石膏でデスマスクが作成されました。それを主治医であったフランチェスコ・アントンマルキが顔の部分だけを持ち去り、1833年にデスマスクの複製をブロンズと石膏で作成し、販売しました。当時のフランス国王ルイ=フィリップは、アントンマルキが販売したデスマスクの複製のうち、ブロンズ製5点、石膏製25点を入手したことが知られており、本作品はそのうちの1点です。生前の威厳はここにはなく、ただ安らかに眠っているような優しい表情が印象的でした。

幕間劇:持ち運ばれ、拡散する肖像

 この章の途中には、幕間劇と題したエリアが二つ設けられています。全体のちょうど中間地点にある幕間劇Ⅰは、暗い洞窟のようなスペースのなかで、作品がきらびやかにライトアップされ神秘的な空間が演出されています。ここに展示されているのは、皇帝などが描かれた貨幣やメダル、装飾品などで、これらは権力者が自身の存在や功績を国土の隅々まで広めるために利用されました。

 章の終わりにある幕間劇Ⅱでは、ルイ18世のために制作られた豪華な嗅ぎタバコ入れと、そのなかに収容されるミニアチュール(小型の画面に描かれた細密画)48点が展示されています。

セーヴル王立磁器製作所 《国王の嗅ぎタバコ入れの小箱》

セーヴル王立磁器製作所 《国王の嗅ぎタバコ入れの小箱》 1819-1820年 硬質磁器、金鍍金された銀、木、ビロード 23×38×28 cm Photo © RMN-Grand Palais (musée du Louvre) / Droits réservés /distributed by AMF-DNPartcom
マリー=ヴィクトワール・ジャコト 《「国王の嗅ぎタバコ入れ」のためのミニアチュール48点》 1818-1836年 硬質磁器、金鍍金されたブロンズ

 嗅ぎタバコ入れの蓋の裏側には、嗅ぎタバコを入れる小さなスペースがあります。箱の本体は、楕円形のミニアチュールを8点並べたプレートを3枚収納できる仕様になっており、使用者はそのなかから1点を選んで嗅ぎタバコを入れる部分に飾ることができました。このミニアチュールに描かれたのは、いずれも過去の巨匠たちが描いたフランスとヨーロッパ諸国の王侯貴族や、文学者、哲学者の肖像画に基づいています。

第3章:コードとモード

 コードとは「決まった表現の仕方・表現上のルール」、モードは「流行」のことを指します。終盤に展開される第3章では、このコードとモードが錯綜するなかでどのような肖像表現が展開されたのかを、ルネサンスから19世紀までのヨーロッパ各国の肖像作例を、男性、女性、子どもと家族などの主題をとおして考察します。

 これまでの「記憶」や「権力の顕示」のための肖像は、王侯貴族や高位聖職者のみが制作できた特権的なジャンルでした。しかし、ルネサンス以降のヨーロッパでは、社会の近代化にともなってブルジョワ階級が次第に台頭し、有力な商人や銀行家から、さらに下の階層まで、肖像のモデルの裾野が広がっていきます。こうした肖像は、古代より培われた上流階級の肖像表現のコードを踏襲しつつ、一方では各時代・地域・社会に特有のモードを反映しながら、じつに多様な展開を遂げました。 

エリザベート・ルイーズ・ヴィジェ・ル・ブラン 《エカチェリーナ・ヴァシリエヴナ・スカヴロンスキー伯爵夫人の肖像》

エリザベート・ルイーズ・ヴィジェ・ル・ブラン 《エカチェリーナ・ヴァシリエヴナ・スカヴロンスキー伯爵夫人の肖像》 1796年 油彩/カンヴァス Photo © RMN-Grand Palais (musée du Louvre) / Michel Urtado /distributed by AMF-DNPartcom

 王妃マリー=アントワネットの肖像画家として名を馳せたヴィジェ・ル・ブランは、18世紀で最も成功した女性画家であり、彼女が描く、モデルの魅力を最大限に引き出した肖像画は、上流階級の女性たちの間で国際的な人気を博しました。

 本作のモデルはロシアのスカヴロンスキー伯爵の妻で、美貌で知られたエカチェリーナ(1761-1829)です。ヴィジェ・ル・ブランは、伯爵が大使としてナポリに駐在していた1790年に夫妻と親交を結んで以来、夫人の肖像を何度も手がけました。本作が制作されたのはエカチェリーナが34歳のころですが、派手な巻き毛や無造作に巻かれた東洋風のターバン、青いショールを着崩した姿は奔放な少女のようにもみえます。

オーギュスタン・バシュー《エリザベート・ルイーズ・ヴィジェ・ル・ブラン》

オーギュスタン・バシュー《エリザベート・ルイーズ・ヴィジェ・ル・ブラン》1783年 テラコッタ/大理石の台座 ルーヴル美術館蔵

 こちらは先ほどの絵を描いたヴィジェ・ル・ブランの胸像です。自身も数多くの自画像を残しましたが、その美貌からさまざまな芸術家が彼女をモデルにした作品を制作しています。

ジャン=フランソワ・ガルヌレ《画家の息子アンブロワーズ・ルイ・ガルヌレ》

ジャン=フランソワ・ガルヌレ《画家の息子アンブロワーズ・ルイ・ガルヌレ》おそらく1793年のサロンに出品 油彩/カンヴァス ヴェルサイユ宮殿美術館に寄託

 こちらの作品はタイトルからして作者の息子を描いたものでしょう。とてもモダンな印象を受けましたが、200年以上前に描かれたものということで驚きました。赤のジャケットがとてもお洒落で目を引きます。猫の愛で方も現代と同じですね。もはやSNSに投稿されていてもおかしくない、親近感を感じさせる作品です。

27年ぶりに来日した傑作《美しきナーニ》

 大きな見どころの一つである、巨匠ヴェロネーゼが描いた《女性の肖像》、通称《美しきナーニ》は、1914年にルーヴル美術館に所蔵されて以来、ルネサンス肖像の最高傑作として大切にされてきた作品です。そんな本作を観ようとひときわ大きな人だかりができていました。

ヴェロネーゼ(本名パオロ・カリアーリ)《女性の肖像》、通称《美しきナーニ》

ヴェロネーゼ(本名パオロ・カリアーリ)《女性の肖像》、通称《美しきナーニ》1560年頃 Photo © RMN-Grand Palais (musée du Louvre) / Michel Urtado /distributed by AMF-DNPartcom

 ヴェネツィア貴族における夫人の理想像が描かれているとされていますが、まず注目すべきなのは「神秘的」と形容される女性の表情です。彼女の瞳は絵の外側のどこかを見つめ、鑑賞者はいくら立ち位置を変えても彼女と目を合わせることはできません。またその表情には、寂しさ、悲しみ、はたまた恥じらい、優しさ、喜びなどさまざまな感情が宿っているようにみえます。肌やドレスのリアルな質感も見逃せないポイントでしょう。さらには立体感がある袖の模様や、重厚感漂う装飾品など見どころ満載です。

エピローグ:アルチンボルド―肖像の遊びと変容

 最後に展示されているのは、ジュゼッペ・アルチンボルドの代表作「四季」連作に属する2点です。昨年の『アルチンボルド展』や、今年の『ルドルフ2世の驚異の世界展』などによって日本での人気・知名度が一段と上昇しているアルチンボルドですが、彼の作品は本展において最も奇抜で斬新であるといえるでしょう。

ジュゼッペ・アルチンボルド《春》

ジュゼッペ・アルチンボルド《春》1573年 油彩/カンヴァス Photo © RMN-Grand Palais (musée du Louvre) / Jean-Gilles Berizzi /distributed by AMF-DNPartcom

ジュゼッペ・アルチンボルド《秋》

ジュゼッペ・アルチンボルド《秋》1573年 油彩/カンヴァス Photo © RMN-Grand Palais (musée du Louvre) / Jean-Gilles Berizzi /distributed by AMF-DNPartcom

 16世紀後半に活躍したアルチンボルドは、さまざまな動植物や事物を寄せ集めて構成した人物画によって絶大な人気を博しました。そんなアルチンボルドの絵画の最大の特徴は「多義性」にあります。鑑賞者は、作品のなかに人物の姿を見ながら、同時にそれを構成する花の一つひとつを識別することができ、1点の絵画を肖像画としても静物画としても楽しむことができるのです。これだけ奇抜でありながらも、肖像画の伝統的構図である横向きの顔を描いている点もおもしろいですね。

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